■ティーチャーやぎぬまの「英語のツボ」■
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第11回:これは難しい! 「見る、聞く」の様々な表現.
look, see, watch, listen, hear の使い分けが出来れば
あなたはもうバイリンガル? その(1)
    

                                              

look, see, watch, listen, hear は全て中学校の教科書に出てくる単語ですが、その使い分けとなると簡単そうで難しい。今回は、この使い分けの「極意」に迫ってみたいと思います。まず中学の復習も兼ねて、次の英文の中で ( ) 内の中で、適切な単語を選んでみて下さい。

(1)I (looked at, saw, watched) the new Star Wars far into the night yesterday.
  ( 私は昨日夜遅くまで、スターウォーズの新作を見ていました。 )
語句
far into the night夜遅くまで
(2)I (looked at, saw, watched) her talking with her boyfriend in the shade of a tree, but
  I couldn't (looked at, saw, watched it) clearly.
  ( 私は彼女が木陰でボーイフレンドと喋っているのを見ましたが、はっきりとは見えま
せんでした。 )
語句
in the shade of 〜: 〜の陰で 
cf.
shade :「はっきりとした輪郭が分からない日のあたらない部分をいう」  
shadow :「光線にさえぎられて写し出された、輪郭の明確な黒い部分」
(3)All the people in the United States (listened to, heard) the President Bush's inaugural address.
  ( 合衆国の全国民は、ブッシュ大統領の就任演説に耳を傾けました。 )
語句
inaugural address : 就任演説
(4)I could (listen to, hear) someone sob just outside the window.  ( ちょうど窓の外で、誰かがすすり泣くのが聞こえたぞ。 )
語句
see , hear , taste , smell のような 知覚を表す動詞 や understand のような 認識を表す動詞 に can をつけても全く問題ないが、 can は何の情報も加えない。

ex. I could smell something burning. ( 何か焦げ臭い臭いがした。 )= I smelled something burning.

look, see, watch, listen, hear の五語は次のように区別する事が出来ます。

 

look:「(意識的に)視線を向ける」という意味の動作動詞。
see:「(自然に)目に入る」という意味の状態動詞。
watch:「(動いたり変化したりするもの、或いはその可能性のあるもの)を見る」の意。
listen:「(意識的に)耳を傾ける」という意味の動作動詞。
hear: 「(自然に)耳に入る、聞こえる」という意味の状態動詞。

 それでは上記の五語の説明を参考にして、(1)〜(4)を考えて行きましょう。

(1) は、スターウォーズのある場面の静止画像を長い間見ていれば look を用いますが、まさか映画を見るのにそのような見方をする人はいません。当然、画面の中で動く画像を見るわけですから、 watched を選びます。一般的に、テレビや映画を見る時には watch を用います。

(2) は、彼女が彼氏と話しているところを、見ようとして意識的に視線を向けたとするならば looked at を選びますが、視線を向けたら自然に目に入ったのか或いは、見ようとしなくても偶然に見えてしまったのかは判らないまでも、「自然に見えてしまった」という意味でしたら saw を選びます。この場合は状況によって二通り考えられるわけです。
後半の「はっきりとは見えませんでした」は、明らかに「はっきりとは網膜には映りませんでした」の意味ですから、 saw が答えになります。

(3) は、米国全土にスピーカーを設置して国民全員に大統領就任演説を聞かせるべく大音量で流したとすれば、聞きたくなくても聞こえてしまいますので heard を選ぶことになりますが、そのような状況はあり得ませんので、「耳を傾ける」という意味の listened to 賀正解になります。

(4) は、心霊現象かもしれない (?)すすり泣く声が窓の外から聞こえてきたわけですから ( ぞぞー )、当然 hear を選びます。皆さん方読者の中には意識的に死後の世界に入り ,すすり泣く声を聞く能力がある人がいるかもしれませんが、そのような方は特別に listen to を使うことが出来るでしょう。

 

次回は、今回学んだ事を元に、これらの五語に就いて更に発展的な見方をして行きたいと思います。楽しみにしていて下さいね。

 

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